中古文学ゼミナール

構成員
指導教官   堀 淳一ほりじゅんいち
顧 問    中西 紀子なかにしのりこ
院生(M2) 音無 幸子おとなしさちこ

四回生
氏   名 一 言 コ メ ン ト
木下 南きのしたなみ 現 在 作 成 中
猿渡さるわたり理恵りえ 現 在 作 成 中

三回生
氏  名 一 言 コ メ ン ト
青山 壮あおやまそう

私と源博雅ひろまさとの出会いは、コミック『陰陽師』においてである。
醍醐天皇の皇子、克明親王の子として生まれた博雅は、陰陽師安陪晴明の親友という架空の設定で登場する。
博雅の魅力の源は、「博雅の三位」と称され崇拝されるほど、篳篥ひちりきなどの楽器の名手であったことである。
もう一つは、「天徳内裏歌合」で歌の順番を間違えたように、粗忽な面を持っていることである。
特に後者は自分にもある一面であり、親近感を覚える。史実・伝説にわたる博雅に関する話を整理することで、博雅の実像に迫っていきたい。

上西祐樹うえにしゆうき

私は『平家物語』の「扇の的」に登場する、那須与一について調べている。
本名は那須与一宗隆で、父資隆の十一番目の息子ということで「与一」と言われている。
また源平合戦では、十番目の兄と与一以外の兄弟は皆、平家側について戦っていた。
それも那須家の滅亡を防ぐためであり、この時代における、彼らの苦悩を感じる。
現在は『平家物語』以外の文献に登場する「与一」や「扇の的」を調べ、描かれ方の違いから、それらがどういった意味なのかを調べている。

酒田光雄さかたみつお

私が古典文学の中で興味を持っている人物は、『源氏物語』の第三部に登場する、薫である。
柏木と女三の宮との間に不義の子として生まれた薫は、心に憂いを抱えた人物として描かれており、仏道にも近づこうとしている。
現代の感覚では彼を好きだと言う人は少ない。その理由は、彼の恋愛に対する姿勢である。
彼は恋愛に対し素直に感情をぶつけず、いったん自分の感情を抑圧しながら、何かの理屈をつけて行動していく。
それは彼自身の出生の秘密からくるものでもあり、そんな彼の行動に表れる内部の深層まで見ていきたい。

杉村圭彦すぎむらよしひこ

たかむらと杉村は、音韻的に似ている。そこから、私の興味は小野篁に向けられるようになった。
様々な文献を調べているうちに、篁の背の高さと、「色男だった」というような描写に非常にジェラシーを感じるようになってしまった。
しかしこの男、なかなかのロリコン(?)で、妹に恋するなど、禁断の愛にも手を出してしまっている。
他にも、地獄で裁判官を務めるなど、およそ真実とは考えがたい逸話の多い人物である。
私は、史実の篁に目を向けながら、なぜ超自然的で伝説じみた話ができたのかを研究していきたいと思っている。

藤原正史ふじわらまさし

私が興味を持ったのは、『源氏物語』第一部に登場する、玉鬘たまかづらである。
玉鬘は、源氏の親友でありライバルでもある頭の中将と、夕顔の間に生まれた女性である。夕顔は、源氏が愛した女性でもあった。
母の死後、一時都を離れて肥後国で暮らしていたが、その地の豪族から執拗な求婚を避けるために京へ上り、源氏と会う事になる。
源氏は玉鬘を養女とするが、その洗練された美しさに、心惑わされる。玉鬘の最初は拒むが、やがては源氏の魅力に惹かれていく。
さらに、その評判を耳にした数々の求婚者も現れる。あまたの貴公子たちに求婚され、果たして玉鬘は誰の手に落ちるのか。
そのような起伏に富んだ展開を、とても面白く感じる。

渡邊陽介わたなべようすけ

『源氏物語』第三部で活躍する匂宮におうのみやは、今上帝と明石中宮との間に生まれた三の宮であり、薫とは様々な点で競い合う間柄である。
婿に望む家も多く、また多くの人々に気を揉ませる。
源氏最愛の女性であった紫の上に特に可愛がられ、彼女が死ぬ際に紅梅と桜の世話を頼まれ、彼女の屋敷であった二条院を受け継ぐ。
情熱家である点や、負けん気が強い点などに共感を持てた。そしてこれこそが彼の魅力ではないかと感じた。
源氏との共通点や相違点などの比較を中心とした研究は多いが、さらなる彼の魅力を見つけるべく、独自の研究を進めていきたい。



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